【共働き×中学受験】塾の宿題・復習をどう回す?家庭学習の優先順位と計画の立て方

「塾の宿題だけで1週間が終わってしまう」
「復習やテスト直しまで、とても手が回らない」
「全部やらせようとすると、親子ともに疲れてしまう」
共働きで中学受験をしていると、こんな悩みが出てくることがあります。
特に学年が上がると、塾の授業、宿題、小テスト、マンスリーテスト、組分けテストなど、やることはどんどん増えていきます。
私も二人の息子をSAPIXに通わせながら中学受験を経験しました。当時は私自身もフルタイムで働いていたため、「理想的な学習計画」をすべて実行できたわけではありません。
むしろ大切だったのは、教材を全部やろうとするのではなく、今の子どもができる必要のある問題を見極め、そこに時間を使うことでした。
この記事では、塾の宿題・復習・テスト直しを限られた時間の中でどう回していくか。わが家で実際に行っていた方法も交えてお伝えします。
この記事の結論
中学受験の家庭学習では、塾から出されたものをすべて同じようにこなす必要はないと、私は考えています。
わが家では、まず毎日必ず取り組む基礎学習を固定していました。
そのうえで、授業で扱った基本問題を確実にする。家庭で同レベルの問題を繰り返す。クラスレベルに応じて、塾から指定された範囲まで広げる。テストで間違えたら、できるだけ早く解き直す。さらに時間を空けて、長期休み前などにもう一度確認する、という流れで学習していました。
大切なのは、「何周したか」ではなく、「今できるか」です。
3回で定着する問題もあれば、一度できたのにテストでまた間違え、4回、5回と戻る問題もあります。
家庭学習で必要なのは、反復回数をこなすことではありません。
できないものを見つけ、できるものに変えていく。そのために、復習の精度を上げる。
これが、わが家で大切にしていた考え方です。
目次
- 塾の宿題が回らないのは「時間が足りない」だけではない
- まずは塾のカリキュラムと教材の優先順位を知る
- 毎日やる基礎ルーティンは、先に固定する
- SAPIX算数では、まずB授業で習った基本問題を確実にした
- 塾の課題は「全部やる」より、今できるべき問題を優先する
- 教材を増やす前に、「今あるものを徹底する」
- 一度できても、時間が経つとまた間違える
- 実際の復習は、翌週までに2回がやっとだった
- テストで間違えたら、解説をもらったあと、できるだけ早く解き直す
- 復習の精度を上げる|「3周」ではなく「今できるか」を見る
- 長期休み前には、その学期に間違えた問題へもう一度戻る
- 計画どおり終わらなかったときは、何を翌週へ残すかを考える
- 小学生に学習計画を丸投げしない。でも親が全部管理し続けない
- 子どもだけでなく、親も続けられる仕組みにする
- 宿題のために睡眠時間を削らない
- まとめ|「何周したか」より、「今できるか」
- よくある質問
1.塾の宿題が回らないのは「時間が足りない」だけではない
塾の宿題が終わらないと、「もっと勉強時間を増やさなければ」と考えてしまいがちです。
でも、本当に時間だけの問題でしょうか。
中学受験塾では、授業の復習、計算、漢字、理社の暗記、プリント、小テスト、テスト直しなど、たくさんの課題があります。
そこへ「この問題集もいい」「この難問もやった方がいい」と追加していけば、時間はいくらあっても足りません。
大切なのは、すべてを同じ優先順位で扱わないことです。
今の子どもができる必要のある問題はどれなのか。次の授業までに、どこまで理解しておく必要があるのか。すでにできる問題と、まだできない問題はどれなのか。
まず、この仕分けが必要です。
仕事・塾・学校行事・家庭学習など、家庭全体の予定そのものが回らなくなっている場合は、学習だけではなくスケジュール全体を見直した方がいいこともあります。
→ 【共働き×中学受験】スケジュール管理のコツ|仕事・塾・家庭学習を無理なく回す方法
2.まずは塾のカリキュラムと教材の優先順位を知る
家庭学習の計画を立てる前に確認したいのが、塾のカリキュラムと教材の位置づけです。
わが家が通っていたSAPIXでは、年度の初めに年間の学習内容が分かる資料が配られていました。私はそれを見ながら、どの時期にどの単元を学ぶのか、いつテストがあるのか、その後どのように学習が進んでいくのかを確認していました。
さらに重要だったのが、教材の中でも、何を優先して取り組むべきなのかを把握することです。
これはSAPIXに限った話ではありません。塾から年間予定、学習方針、教材の取り組み方、クラスごとの課題範囲などが示されているなら、まずそこを確認してみてください。
「宿題が多いから全部頑張る」のではなく、今の子どもに何が求められているのかを知ってから家庭学習を組む方が、優先順位をつけやすくなります。
3.毎日やる基礎ルーティンは、先に固定する
わが家では、授業の復習とは別に、毎日必ず取り組む基礎学習がありました。
SAPIXでは、基礎力トレーニング(算数の基礎計算・基本問題を毎日積み上げる教材)、コアプラス(理科・社会などの基礎知識を繰り返し確認する教材)、漢字・語彙系の教材など、日々積み重ねていく前提の課題があります。
こうしたものは、授業後の復習とは別枠で、基本的に毎日取り組んでいました。
ここで大切にしていたのは、「やったかどうか」だけで終わらせず、その日のミスをその場でやり直すことです。
基礎力トレーニングをやった。コアプラスをやった。漢字や語彙の学習をやった。それで終了ではありません。
間違えたところはその場で確認して、できる状態に戻しておく。
毎日の基礎学習は、量を増やすためのものではなく、基礎を落とさないための土台です。
そのうえで、毎日の基礎ルーティンと、授業で扱った問題の復習を組み合わせていました。
4.SAPIX算数では、まずB授業で習った基本問題を確実にした
ここからは、わが家が実際にSAPIXの算数で行っていた方法を例にお話しします。
SAPIX固有の教材名が出てきますが、他塾の方は「授業で習った基本→家庭での復習教材」と置き換えて読んでください。
これは「SAPIXならこの方法が正解」という意味ではありません。あくまで、わが家で家庭学習の優先順位をどう考えていたかという一例です。
新しい単元をB授業で習ったら、最優先したのは、授業で扱った基本問題を、まず自力で解ける状態にすることでした。
デイリーサピックス(授業で新しい単元や考え方を学ぶ際に使う教材)で扱った内容を、「授業で一度やったから終わり」にはしません。
まず、授業で習った基本を取りこぼさないことを重視しました。
そしてデイリーサポート(授業内容を家庭で復習・演習するために使う問題教材)についても、掲載されている問題をすべて同じ優先順位では扱いませんでした。
最初に繰り返したのは、B授業で習った内容と同レベルの基本問題です。
クラスレベルが上がって先生から指定される問題が増えれば、その時点で指定された範囲まで、できるようにしていきました。
つまり、「上位クラスに上がったから、難問をどんどん追加する」のではなく、基本を確実にしたうえで、現在地に応じて取り組む範囲を広げる。
この順番を大切にしていました。
5.塾の課題は「全部やる」より、今できるべき問題を優先する
SAPIXの教材には、さまざまな難易度の問題がありました。
当時の算数教材には、表と裏に同じ問題が印刷されているものがありました。わが家では、そのように繰り返して取り組むことを求められている基本的な問題や、先生から優先して取り組むよう指定された問題は、必ずできるようにすることを重視しました。
これだけでも、結構大変です。
一方で、教材にはさらに難しい発展問題もあります。社会なら、入試問題の記述のような難しい問題が載っていることもありました。
世の中には、そんな問題まで楽々解いてしまう小学生もどうやらいるらしいのですが(笑)、わが家では、すべての発展問題まで無理に手を広げませんでした。
発展問題まで全部やろうとして、今できる必要がある基本問題の定着がおろそかになっては本末転倒だからです。
ただし、「難問はやらない」と決めていたわけでもありません。
クラスレベルが上がり、先生から取り組むよう指定される範囲が増えれば、その範囲までできるようにしました。
つまり、基本は必須。発展は現在地に応じて調整する。
どの問題を優先すればよいか分からない場合は、塾の先生に「今のクラスでは、どこまで確実にできるようにすればよいですか」と確認するのも一つの方法です。
6.教材を増やす前に、「今あるものを徹底する」
中学受験をしていると、「この問題集がいいらしい」「あの教材もやった方がいいのでは?」と、次々に情報が入ってきます。
でも、私が長く学校現場で生徒を見てきて感じるのは、成績が伸び悩んでいる生徒ほど、基礎が十分に固まっていないまま、教材や勉強法を次々に変えてしまうことがあるということです。
これは、予備校など他の教育現場について教育関係者と話していても、共通して出てくる話です。
新しい教材に手を出す。評判のいい勉強法を試す。でも、目の前のできない問題を、できるようになるまで徹底してやるところまでいかない。
すると、教材は増えても、「これはできる」と言えるものがなかなか増えていきません。
そして中学受験では、この迷いが保護者側に起こることもあります。
「この塾のやり方で本当に大丈夫?」「もっと問題集を足した方がいいのでは?」「みんながやっている教材もやらせた方がいい?」
不安になると、何かを足したくなるんですよね。
でも、その前に確認してほしいことがあります。
今使っている教材の中で、今のわが子ができる必要のある問題を、本当にできる状態にしたでしょうか。
わが家がSAPIXの教材で基本問題を優先して繰り返していたのも、この考え方があったからです。
基本を確実にする。できなければ戻る。できるようになったら、現在地に応じて範囲を広げる。
教材を増やす前に、まず目の前のものを徹底する。
この経験を積み重ねることで、子どもの中にも、「やればできる」「ここまでやれば身につく」という感覚が少しずつ育っていくのだと思います。
7.一度できても、時間が経つとまた間違える
家庭学習で解けるようになった問題でも、しばらく時間が経つと、マンスリーテストや組分けテストでまた間違えることがありました。
中学受験では、よくあることです。
だからわが家では、「前にできたから、もう終わり」とは考えませんでした。
そのときには解けた。でも、時間を空けたら解けなかった。それなら、まだ完全には定着していなかったのだと考えて、もう一度戻ります。
人の記憶は、学習直後の状態をそのまま維持できるわけではありません。エビングハウスの古典的な忘却研究では、学習後、時間の経過に伴って記憶保持が変化することが示され、その後の研究でも忘却曲線が再現されています。
また、一度にまとめて学習するよりも、時間を空けて学習機会を設ける「分散学習」が、長期的な記憶保持に有利であることも研究されています。
ただし、「翌日、3日後、7日後に復習すればいい」といった固定された復習間隔が、すべての学習に当てはまるわけではありません。
中学受験では、塾の授業、宿題、テストが次々にやってきます。
だから私は、理想的な日数にこだわるより、現実の学習サイクルの中に、時間を空けてもう一度解く機会を作ることの方が大切だと考えています。
8.実際の復習は、翌週までに2回がやっとだった
ここは、理想論ではなく、わが家で実際にどうしていたかをお話しします。
組分けテスト対策のために、別枠でたっぷり時間を取れるわけではありませんでした。次の授業はすぐにやってきます。
そのため、授業後の復習では、間違えた問題を翌週の授業までに2回繰り返すのがやっとでした。
そして組分けテストなどの前には、2回復習しても両方とも×だった問題、あるいは2回のうち、どちらか1回でも×だった問題に絞って、もう一度取り組みました。
これで、その問題についてはテスト前までに少なくとも3回は向き合ったことになります。
でも、「3回やること」を目標にしていたわけではありません。
まだできない問題だから、もう一度やる。
結果として3回になった、ということです。
共働き家庭では特に、すべての問題を何周もする時間を確保するのは現実的ではありません。
だからこそ、できる問題ではなく、まだできない問題に時間を使うという選別が重要でした。
9.テストで間違えたら、解説をもらったあと、できるだけ早く解き直す
マンスリーテストや組分けテストで間違えた問題は、解説をもらったら、できるだけ早く解き直すようにしていました。
ここで重要なのは、「この問題、前にもやったのに!」で終わらせないことです。
前にできた問題をまた間違えたのなら、それ自体が今の定着度を教えてくれる情報です。
間違えた問題に戻り、なぜ間違えたのか、もう一度自力で解けるかを確認します。
テストは、点数やクラスを見るためだけのものではありません。
今、どこに戻ればいいのかを教えてくれる材料として使うことができます。
10.復習の精度を上げる|「3周」ではなく「今できるか」を見る
「問題集は3周しましょう」「同じ問題を3回やれば定着します」といった方法を聞くことがあります。
でも、わが家では、3回やったら終了とは考えていませんでした。
3回で定着する問題もあります。一方で、一度はできるようになったのに、時間が経ってテストでまた間違える問題もあります。
そういう問題なら、4回目、5回目と戻ることになります。
逆に、すでに確実にできる問題を、回数をそろえるためだけに何度も解く必要もありません。
大切なのは、「何周したか」ではなく、「今できるか」です。
できるようになった問題はいったん復習の優先順位を下げる。まだできない問題、時間を空けると間違える問題に時間を使う。
これが、私の考える「復習の精度を上げる」ということです。
限られた時間の中で家庭学習を回す共働き家庭だからこそ、復習回数を増やすことより、どの問題に時間を使うかを絞ることが重要だと思います。
11.長期休み前には、その学期に間違えた問題へもう一度戻る
テストで間違えた問題をすぐ解き直しても、それで完全に終了ではありませんでした。
一度解き直してできるようになっても、また時間が経てば忘れることがあるからです。
そこでわが家では、学期末から長期休みに入るタイミングで、その学期のマンスリーテストや組分けテストを見返し、間違えた問題を中心にもう一度解き直すようにしていました。
実際の流れを整理すると、毎日の基礎ルーティン→授業で新しい内容を習う→家庭で基本問題を確実にする→翌週までに間違えた問題を中心に繰り返す→クラスレベルに応じた指定問題まで取り組む→テスト前はまだ×が残っている問題を優先する→テストで間違えたらできるだけ早く解き直す→さらに時間を空け、長期休み前にもう一度確認する、という形です。
毎回すべての問題を最初からやり直すわけではありません。
時間が経ってもできる問題と、時間が経つとまたできなくなる問題を見ながら、復習する対象を選び直していくのです。
12.計画どおり終わらなかったときは、何を翌週へ残すかを考える
もちろん、毎週きれいに学習が終わるわけではありません。
学校行事がある。体調を崩す。思った以上に一つの問題に時間がかかる。親の仕事が忙しく、十分にフォローできない。
そんな週もあります。
終わらなかったからといって、全部を翌週へ上乗せすれば、翌週はさらに苦しくなります。
一方で、中学受験塾は学校より速いペースで学習が進み、抜けてしまったところが新出事項であることも少なくありません。
特に算数、理科、社会などでは、その内容を理解していないと、次の授業が分かりにくくなることがあります。
そのため、わが家でも、次の授業の理解につながる重要な内容は、翌週に回してでも取り組むことがありました。
つまり、「終わらなかったから全部捨てる」でも、「終わらなかったから全部持ち越す」でもありません。
次の学習に必要なものは何かを考えて、残すものを選ぶ。
ここでも優先順位が重要になります。
13.小学生に学習計画を丸投げしない。でも親が全部管理し続けない
「子どもの自立のためには、自分で計画を立てさせた方がいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
もちろん、最終的には自分で学習を管理できるようになってほしいものです。
でも、小学生が大量の塾教材を見ながら、どれが重要なのか、どの問題を復習するのか、どこまでできれば次へ進んでよいのか、何を翌週へ持ち越すのかまで、最初からすべて判断するのは簡単ではありません。
わが家でも、小学生のうちは親がある程度、学習計画の枠組みを作っていました。
ただし、親だけが分かるブラックボックスにしてしまうのではなく、「まず、この問題はできるようにしよう」「これはもうできるから、次はこちらをやろう」「テストでまた間違えたから、もう一度戻ろう」と、なぜその学習をするのかも少しずつ子どもに見せていく。
親が全部やるか、子どもに全部任せるかの二択ではありません。
必要な支えを残しながら、できる部分を少しずつ渡していくことが大切だと思います。
家庭学習だけでなく、仕事・塾・学校行事まで含めた「親がどこまで管理し、どこから子どもに渡すか」については、こちらの記事でも詳しくお伝えしています。
→ 【共働き×中学受験】スケジュール管理のコツ|仕事・塾・家庭学習を無理なく回す方法
14.子どもだけでなく、親も続けられる仕組みにする
振り返ると、長男の中学受験のときの私は、親として初めて経験する中学受験に四苦八苦していて、心にも発想にもあまり余裕がありませんでした。
子どもが楽しみながら続けられる仕組みを作るところまで、なかなか頭が回らなかったと思います。
次男のときには、Wordでスタンプラリーのようなカードを作ったことがあります。決めた音読を毎日10回できたらシールを貼り、シートが一定枚数たまったら好きな本を1冊買ってあげる、という仕組みです。
これが、子どもにはなかなか好評でした。
それを見た長男から、「ズルい!僕のときはそんなのやってくれなかったのに!それをやってくれたら、もっと僕も頑張れた」と苦情が来ました(笑)。
ところが、この仕組みには思わぬ落とし穴がありました。
シールを貼る私が挫折したのです。
共働きで忙しい毎日の中では、シールを台紙から剥がして貼るという小さな作業すら、毎日となると面倒になってきます。
今なら、子どもがやったことを私が確認したら、「ヤッター!」と出るようなはんこをポンと一つ押す仕組みにしておけばよかったと思います。
子どもが勝手に押すのではなく、親が確認してポン。
これなら、私の負担もずっと少なかったはずです。
子どもが取り組みやすいことは大切です。でも同時に、それを支える親も無理なく続けられる仕組みになっているかを考えておく必要があります。
立派な仕組みより、親子ともに続けられる仕組み。
共働き中学受験では、こちらの方がずっと実用的です。
15.宿題のために睡眠時間を削らない
やることが終わらないと、つい「あと少しだから」と学習時間を延ばしたくなることがあります。
でも、学習計画を守るために睡眠を削ることが当たり前になるのは避けたいところです。
子どもの睡眠は、注意、学習、記憶、感情調整などとも関わります。
わが家では、塾から帰ったら食事、入浴、就寝を優先し、朝学習は取り入れませんでした。
「朝学習がいい」と言われることもあります。でも、それがすべての家庭に合うわけではありません。
学習計画は、子どもの生活を壊してまで守るものではないと思います。
予定どおり終わらないなら、睡眠を削る前に、本当に全部やる必要があるのか。優先順位を変えられないか。
を考える。
それも家庭学習の管理です。
そして、宿題だけでなく送迎・家事・仕事までママ一人に集中していると、学習計画だけを工夫しても回らないことがあります。
→ 共働き中学受験の送迎・宿題はどうする?家事まで抱え込まないための考え方
16.まとめ|「何周したか」より、「今できるか」
中学受験では、やろうと思えば、やることはいくらでもあります。
だからこそ、家庭学習では、全部やることを目標にしない。
まず、毎日の基礎学習を回す。授業で習った基本を確実にする。今のクラスで指定されている範囲をできるようにする。
できるようになったら、現在地に応じて取り組む範囲を広げる。テストで間違えたら、もう一度戻る。さらに時間を空けて確認する。そして、まだできないなら、また戻る。
3回やったから終わりではありません。5回やらなければいけないわけでもありません。
見るのは、「何周したか」ではなく、「今できるか」です。
そして、不安になったときほど、すぐに新しい教材を足すのではなく、「今ある教材の中で、まだできるようになっていないものは何だろう?」と一度確認してみる。
限られた時間の中で、その子に今必要な学習を選び、できないものを一つずつできるものへ変えていく。
そのために、復習の回数ではなく、復習の精度を上げる。
これが、二人の息子の中学受験で、わが家が家庭学習を回すときに大切にしていた考え方です。
そして、親がすべてを管理し続けるのではなく、「なぜ今これをやるのか」も少しずつ子どもに見せていく。
中学受験の家庭学習は、目の前の宿題を終わらせるためだけのものではありません。
その経験を通して、子ども自身が少しずつ「自分は何を学ぶ必要があるのか」を考えられるようになる。
そこまでつながっていけばいいのではないかと思っています。
家庭学習で迷ったら、「全部やる」ではなく優先順位を整理する
ここまで読んで、「塾の宿題を全部やらせなければ、と焦ってしまう」「何を優先して、何を減らせばいいのか分からない」「どこまで親が関わればいいのか迷う」と感じた方もいるかもしれません。
中学受験では、方法をたくさん知ることより、今のわが子とわが家にとって、何を優先するかを判断できることが大切です。
家庭学習への関わり方や、親子の役割を今のうちから少しずつ整えていきたい方へ、次の2つをご用意しています。
FAQ よくある質問
Q1 塾の宿題は全部やった方がいいですか?
私は、必ずしもすべてを同じ優先順位で行う必要はないと考えています。
わが家では、まず毎日の基礎学習、授業で扱った基本問題、今のクラスで塾から指定されている問題を確実にできるようにすることを優先しました。
どこまで取り組むべきか判断できない場合は、塾の先生に確認するのがおすすめです。
Q2 毎日の基礎学習はどこまでやればいいですか?
わが家では、基礎力トレーニング、コアプラス、漢字・語彙系の教材など、その日に取り組む前提の基礎学習は基本的に毎日行っていました。
そして、ミスしたらその場でやり直すところまでを一つのセットと考えていました。
Q3 同じ問題は3周すればいいですか?
「3周」を目的にする必要はないと思います。
3回で定着する問題もあれば、一度できても時間が経つとまた間違える問題もあります。
大切なのは、何回やったかではなく、今、自力でできるかです。
Q4 一度できた問題を、また間違えたらどうすればいいですか?
わが家では、「まだ完全には定着していない」と考えて、もう一度解き直しました。
特にマンスリーテストや組分けテストで間違えた問題は、解説をもらったあと、できるだけ早く解き直していました。
さらに長期休み前にも、以前間違えた問題へ戻って確認していました。
Q5 発展問題までやった方がいいですか?
子どもの現在地によって違います。
わが家では、まず基本問題を確実にし、そのうえでクラスレベルが上がり、先生から指定される問題が増えれば、その範囲まで取り組みました。
「基本か発展か」という二択ではなく、基本を守りながら現在地に応じて負荷を上げていくという考え方でした。
Q6 市販の問題集を追加した方がいいですか?
必要な場合もあると思いますが、まず確認したいのは、今使っている教材の基本部分が本当に定着しているかです。
不安になると教材を増やしたくなりますが、教材が増えるほど家庭学習の時間も分散します。
今できる必要がある問題を確実にしたうえで、それでも必要なら追加を考える、という順番でも遅くないと思います。
Q7 親が学習計画を作ると過干渉になりませんか?
親が関わること自体が、すぐに過干渉になるわけではありません。
小学生にはまだ難しい優先順位の判断を親が支えながら、「なぜ今これをするのか」も少しずつ伝え、できる部分を子どもへ渡していくことが大切だと考えています。
Q8 宿題が終わらないときはどうすればいいですか?
まず、終わっていないものの優先順位を確認します。
次の授業の理解に必要な内容なのか、発展的な内容なのかによっても判断は変わります。
毎週終わらない状態が続くなら、家庭だけで抱えず、塾の先生に「今のクラス、今の子どもの状態なら、何を優先すればよいか」を相談するのも一つの方法です。
参考資料
本記事では、記憶・学習・睡眠に関する一般的な研究知見も参考にしています。
- Murre, J. M. J., & Dros, J. (2015). “Replication and Analysis of Ebbinghaus’ Forgetting Curve.” PLOS ONE, 10(7), e0120644.
- Cepeda, N. J., et al. (2006). “Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis.” Psychological Bulletin, 132(3), 354–380.
- Mawson, C. O. S., et al. (2025). “The Distributed Practice Effect on Classroom Learning: A Meta-Analytic Review of Applied Research.” Behavioral Sciences.
- American Academy of Sleep Medicine “Child Sleep Duration Health Advisory.”
※これらの研究は、中学受験家庭そのものを対象にしたものではありません。本記事では、記憶・学習・睡眠に関する一般的な知見を、中学受験の家庭学習を考える際の参考として紹介しています。

成合弘恵(なりあいひろえ)
ヒロ・スマイルコーチング代表/中学受験ライフコーチ
教育現場29年・元大手塾講師/高校教員
NLP上級プロコーチ
NLPマスタープラクティショナー
教育カウンセラー
明治大学文学部卒業
茨城県出身/千葉在住
元大手進学塾講師、公立高校教諭、私立中高講師として教育現場に29年以上携わる。
大手進学塾では中学受験・高校受験指導を担当し、開成高校・筑波大学附属高校など難関校への合格者を多数指導。
教育現場では教育相談や特別支援教育コーディネーターを担当し、公立高校在職中からカウンセラー資格とコーチ資格を活かして、のべ2800回以上の生徒カウンセリング面談を実施。
これまで教育現場で対応してきた保護者はのべ2200名以上。
最難関校を目指す生徒から教育困難校の生徒まで、幅広い生徒の指導経験を持つ。
私生活では二人の息子の母。
長男は東京大学卒、次男は慶應義塾大学在学中。
自身も中学受験を経験した母親として、受験期の家庭のリアルを知る。
現在は中学受験期の母親をサポートする「中学受験ライフコーチ」として活動。
ママが笑顔になることで子どもが笑顔になり、子どもたちが笑顔で生きられる社会をつくることがミッション。
中学受験期の母親の心理や親子関係について、教育現場での経験と自身の子育て経験の両方から発信しています。


