私が、中学受験を「親子で人生を学ぶ時間」にしたい理由

幸せな家庭の中で、子どもの私が感じていたこと

私が、コミュニケーションや親子の関係に関心を持つようになったのは、
大人になってからではありません。

幼い頃から、私はずっと考えていました。

どうして、大切な人同士なのに、
分かり合えなくなってしまうのだろう。

どうして、家族なのに、
言葉がきつくなったり、空気が重くなったりするのだろう。

とはいえ、私は自分の育った家庭を、
不幸な家庭だったとは思っていません。

むしろ、たくさんの愛情を受けて育った、
幸せな家庭だったと思っています。

7人家族で囲む食卓では、
みんながそれぞれ好きなことを話していました。

誰かの話に誰かが笑い、
別の話題が重なり、
気づいたら、なんだか話が盛り上がっていた。

「なんか、話が盛り上がっちゃったね」

そんなふうに笑い合う時間もありました。

だからこそ、
大切な人同士がうまく分かり合えない場面があることが、
子どもの私には不思議で、悲しくもありました。

同居していた家族の中で、
大人同士の関係が、いつも穏やかとは言えない時期もありました。

どちらか一方が悪いと思いたいわけではない。
どちらの味方かと聞かれても、答えられない。

私はただ、
大切な人同士が、傷つけ合わずに話せたらいいのに、
と思っていました。

けれど私は、
「誰とでも仲良くしましょう」と言いたいわけではありません。

人には相性があります。
苦手な人もいます。
どうしても近づきすぎない方がいい関係もあります。

全員と仲良くなることはできません。
無理に仲良くなる必要もないと思っています。

それでも、
言葉を交わさなければならない場面はあります。

家族。
学校。
職場。
親子。
先生と生徒。
親と塾。

そのときに、
相手を傷つけすぎず、
自分も押し殺しすぎず、
少しでも平和に、自分らしくいられる関わり方はないのだろうか。

私は、子どもの頃からずっと、
そんなことを考えてきたように思います。

学び方、言葉、そして自分の人生を選ぶこと

もう一つ、
子どもの頃から私の中にあった問いがあります。

それは、

「どうして、あの子は勉強ができるのだろう」
「人は、どうすればできるようになるのだろう」

という問いでした。

才能だけなのか。
頭のよさだけなのか。
それとも、経験や環境、関わり方によって変わるものなのか。

学び方。
人との関わり方。
感情の扱い方。

振り返ると、この3つは、
ずっと私の中にあったテーマでした。

私自身も、長い間、
親の期待に応えようとして生きていた時期がありました。

反抗期らしい反抗もせず、
「素直ないい子」でいようとしていたのだと思います。

けれど、大学受験での挫折をきっかけに、
私は初めて強く思いました。

もう、自分を押し殺して生きるのはやめよう。
自分の人生は、自分で選んでいこう。

親子であっても、
子どもは親とは別の人格です。

この経験もまた、
私が「子どもには、自分の人生を自分で歩んでほしい」と
強く願うようになった原点の一つです。

小学校の頃、私は担任の先生が大好きでした。

その先生の専門教科が社会だったこともあり、
私は自然と社会に興味を持つようになりました。

歴史や公民などの暗記科目は得意で、
点数も取りやすかった。

だから一時期は、
社会科の教員になりたいと思っていたこともあります。

けれど、考えていくうちに気づきました。

私は本当に、
社会科そのものに強い情熱があるのだろうか。

得意だから好き。
点数が取れるから好き。
大好きだった先生の影響で好きになった。

それは確かに、大切なきっかけでした。

でも、私の中にもっと強くあったのは、
言葉を通して人とつながりたい、
違う背景を持つ人とも話せるようになりたい、
という思いだったのかもしれません。

社会科は採用数が少ないと先生方から聞いたこともあり、
私は中学生の段階で、英語教員の道を考えるようになりました。

その後、結婚し、長男を出産した頃、
私は一時期、このまま専業主婦として過ごす人生もあるのかもしれない、
と思っていたことがありました。

子育てにはやりがいがあり、
小さな長男と過ごす時間も大切でした。

けれど同時に、
社会との接点が少なくなる中で、
私の中にある情熱やエネルギーを、
まだ小さな長男にすべて向けてしまっているのではないか、
と感じるようにもなりました。

子どもは大切です。

でも、私は子どものためだけに生きているわけではない。
私の人生も、私にとって大切なものです。

自分の人生は、自分で決めて生きる。

その姿を子どもに見せたいと思いました。


当時、教員採用試験を受けられる年齢制限まで、
残された時間はあと2年ほどでした。

さらに、教員採用試験の2か月前には、
長男が手術のために入院することもありました。

もちろん、不安がなかったわけではありません。

それでも私は、
それを理由に勉強しないことや、
夢を諦めることを、
自分への言い訳にはしたくありませんでした。

「今、動かなければ」

そう思い、私は教員採用試験を受ける決断をしました。

もちろん、それは決して簡単な道ではありませんでした。

私が教員採用試験に合格した当時は、
教員採用試験の倍率が非常に高く、
平均倍率も10倍を超えるような厳しい時期でした。

その狭き門をくぐって公立高校の英語教員になったことは、
私にとって、言葉と教育に本気で向き合う大きな一歩でした。

教育現場で深まった、言葉と感情への関心

公立高校の英語教員になる前に、
私は大手進学塾で講師として働き、
中学受験・高校受験の子どもたちを指導しました。

保護者会を行い、
三者面談をし、
保護者の方からの相談にも乗ってきました。

塾講師として働いていた頃には、
感情をうまく扱えない上司から、
理不尽な言葉や態度を受けた経験もありました。

また、塾でも学校でも、
自分の感情を抑えられず、
周囲に強い言葉や態度を向けてしまう人と関わる場面がありました。

そのたびに私は考えました。

人はなぜ、
感情をそのまま相手にぶつけてしまうのだろう。

どうすれば、
自分の感情を大切にしながらも、
相手を傷つけすぎない関わり方ができるのだろう。

私にとってコミュニケーションは、
単に「うまく話す技術」ではありません。

自分の感情とどう向き合うか。
相手との距離をどう取るか。
安心して話せる空気をどうつくるか。

それは、
人が自分らしく生きるための土台でもあると感じています。

公立高校の英語教員として多くの生徒たちと向き合う中でも、
私は同じことを感じてきました。

担任として。
教育相談担当として。
一人ひとりの生徒と面談を重ねる中で、
子どもが力を出せるかどうかは、
勉強のやり方だけでは決まらないと感じる場面が何度もありました。

安心して話せる人がいるか。
失敗しても戻れる場所があるか。
自分の気持ちを否定されずに聞いてもらえるか。

そうした「関係の空気」が、
子どもの学び方や、立ち上がる力に深く関わっているのだと。

母として、うまくできなかった時間

もちろん、私自身も、
最初からうまくできたわけではありません。

長男が2〜3歳の頃、
イヤイヤ期に加え、耳の手術の影響で言葉がうまく伝わらず、
毎日がぶつかり合いの連続でした。

初めての教員生活でクタクタになって帰宅する私に、
追い打ちをかけるように始まる息子とのバトル。

「どうすれば、毎日笑顔で子どもと過ごせるの?」
「なんで私だけ、こんなに大変なの?」

そんな思いを抱えながら、
自己嫌悪に陥り、
母親としての自信を失っていきました。

他のママたちが、
まるでマリア様のように輝いて見えた時期もありました。

小学校の個人面談で、
担任の先生から息子についてネガティブなことを言われた時には、
我が子を不憫に思う気持ちと、
自分の育て方が全否定されたような気持ちが重なり、
涙が止まりませんでした。

何とか息子をよい方向へ導こうと、
焦れば焦るほど空回りする。

気づけば、息子との関係は苦しくなっていました。

育児が楽しくない。
可愛いと思えない時がある。
そんな自分を、さらに責めてしまう。

そんなある日、息子が泣きながら言いました。

「ママは、いつも僕の悪いところばかり言う!」

その言葉に、ハッとしました。

私は、息子をよくしたいと思っていました。
心配だから、何とかしたかった。

でも、その関わり方が、
息子の心を苦しくしていたのかもしれない。

「このままではいけない」

そう思った私は、
カウンセリングやコーチングを本格的に学び始めました。

そして、学んだことを、
自分の子育てにも、
学校での生徒との面談にも、
保護者対応にも活かしていきました。

すると、少しずつ、
息子とのやり取りにも変化が生まれていきました。

もちろん、急に完璧な親になったわけではありません。

怒る日もある。
迷う日もある。
うまくいかない日もある。

それでも、
表情、声の温度、待ち方、言葉の選び方が少し変わるだけで、
親子の空気は少しずつ変わっていくことを、
私は自分の家庭でも実感しました。

塾講師だった私でさえ、中学受験の母になって初めて分かったこと

そして、二人の息子の中学受験を経験する中で、
さらに強く感じたことがあります。

私は、塾講師として、
保護者の方の相談に乗る側でした。

それでも、
自分が中学受験生の母になって初めて分かった大変さがありました。

宿題。
塾の課題。
テスト直し。
家庭学習の管理。
成績への不安。
子どもの反応。
親としての焦り。

知っていることと、
わが子の前でできることは違います。

「怒らない方がいい」
「見守った方がいい」
「子どもに考えさせた方がいい」

頭では分かっていても、
忙しさや不安が重なると、
つい口を出しすぎたり、
強い言い方になってしまうことがあります。

でもそれは、
ママが子どもを大切に思っていないからではありません。

むしろ、
大切だからこそ不安になり、
不安だからこそ、
いつもの反応に戻ってしまうことがあるのです。

中学受験の親子関係も、
いつも穏やかで、いつも笑顔でいられるわけではありません。

宿題が終わらない日もあります。
テスト結果に不安になる日もあります。
つい口を出しすぎてしまう日もあります。

でも、
勉強の話をするたびに、
親も子も苦しくなっていく関係にはしなくていい。

ぶつかることがあっても、
また話せる関係を残していくこと。

子どもが、
「また怒られる」ではなく、
「今日は話しても大丈夫かも」
と思える空気を残していくこと。

私は、その関わり方を大切にしています。

中学受験を、親子が傷つけ合う時間にしないために

長年の教育現場では、
勉強が苦手な生徒、
親との関係に悩む生徒、
自分に自信を持てない生徒たちとも向き合ってきました。

その中で、
「もっと早く、子どもとの関わり方を知っていれば」
と後悔する保護者の方にも出会ってきました。

だから私は、
中学受験が本格化して、親子の空気が苦しくなってからではなく、
まだ大きく崩れていない小2〜小5の今から、
親子の関わり方を見直しておくことに意味があると考えています。

中学受験は、
合格のためだけの時間ではありません。

親が子どもを管理し続ける時間でもありません。

親子で迷いながら、
ぶつかりながら、
立ち止まりながら、
子どもが少しずつ自分で考え、
自分の人生を切り拓く力を育てていく時間です。

そして親にとっても、
子どもを思い通りに動かすのではなく、
わが子とどう関わるのかを見つめ直す時間です。

私は、
塾講師としての経験、
高校教員としての経験、
カウンセリング・コーチングの学び、
そして二人の息子の中学受験を経験した母としての実感をもとに、
親子の空気と家庭学習への関わり方を整えるサポートをしています。

子どもを変える前に、
まず親の関わり方を少し見直す。

ママがもっと頑張るのではなく、
今の親子のやり取りを少し立ち止まって見てみる。

その小さな一歩が、
親子の空気を変えるきっかけになることがあります。

中学受験を、
親子が傷つけ合う時間ではなく、
受験後も話せる関係を残す時間に。

そして、子どもが少しずつ、
自分で考え、自分の人生を切り拓く力を育てる時間に。

それが、私がこの仕事をしている理由です。


まずは、今の親子の空気を確認してみませんか

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

中学受験は、
親が子どもを管理し続ける時間ではなく、
親子で関わり方を学び直していく時間でもあります。

今はまだ大きな問題ではなくても、
勉強の話になると、少し空気が変わる。
宿題や塾の課題への関わり方に迷う。
つい口を出しすぎてしまう。
この先、受験が本格化した時が少し不安。

そんな気持ちがあるなら、
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